受動態まとめ|基本からパターン別まで、作り方をわかりやすく解説

受動態 わかりやすく_アイキャッチ

「英語の受動態が、よく分からない…。」
「受け身の文は、文型とか時制ごとに、どう作ればいいんだろう…。」
「by とか in とか、受動態と一緒に使われる前置詞は、 どう使い分けたらいんだろう…。」
「受動態について、わかりやすく纏められた解説が読みたい!」

本記事は、こんなお悩みを持った方に向けて書いています。

目次

受動態とは

受動態とは、「〜される」と、受け身を表す動詞の形です。
受動態のイメージ

受動態を使う場面

動作主の明示を避ける時や、”動作主” よりも “動作の対象” に焦点を当てたい時などに、受動態がよく使われます。

The copy machine is broken. (コピー機は壊れています。)
→動作主 (コピー機を壊した人) は重要ではない。もしくは分からない。

“Where is Mr.Yamada?” (山田さんは、どこですか?)  –  “He was transferred to Tokyo.” (彼は、東京に異動されました。)
→山田さんを異動した人物 (動作主) ではなく、山田さん (動作の対象) に焦点を当てている。

受け身の文の作り方

受け身の文は、be動詞+過去分詞で表現できます。

※be動詞および過去分詞について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
Be動詞とは?使い方から一般動詞との違いまで、わかりやすく図解!
英語の準動詞とは?役割や使い方を、図解で一気にマスターしよう!

受動態の作り方

動作主を明記したい場合は、おおむね前置詞 by が使われます。

動作主の表現

文型ごとの受動態

「〜される」と、受け身を表すのが受動態です。そのため、動作を受ける “目的語” がある文のみ、受け身の形で表現できます。
例えば I run.(私は走る。)の文には、動作の対象となる目的語がありません。そのため、「〜される。」と言い換えることは出来ません。
目的語なし

一方 I own this car.(私はこの車を所有している。)の文では、目的語の this car が I (私) に所有されています。そのため、This car is owned by me.(この車は、私に所有されている。)と、受け身の文に言い換えることができます。

目的語あり

このように目的語のある文型は、英語の基本5文型の内、第3・第4・第5文型です。それぞれの文型ごとに、受動態への変換方法を見てみましょう。

※ 英語の文型について詳しく知りたい方は、こちらをご参考ください。
英語の文型とは?意味や並べ方を、わかりやすく図解!

第3文型

第3文型(SVO)は、”SがOに対してVする” という意味を持つ文型です。

Everyone likes Ken.
(皆んなケンが好きです。)

受動態は、【O+be動詞+過去分詞 】と表します。

Ken is liked by everyone.
(ケンは皆んなに好かれています。)v

第3文型の受動態

第4文型

第4文型(SVO1O2)は、SがO1に対してVしつつ、そこにO2が介在するイメージで使います。

I sent you an email.
(私はあなたに、メールを送りました。)

受動態で表すときは、【O1+be動詞+過去分詞+O2】もしくは【O2+be動詞+過去分詞+to/for+O1】の形をとります。

You were sent an email.
(あなたは、メールを送られました。)

An email was sent to you.
(メールが、あなたに送られました。)

第4文型の受動態

第5文型

第5文型(SVOC)は、”Sは、OがCになるようVする” と表します。

My friends call me Saki.
(私の友人は、私をサキと呼びます。)

受け身の文は、【O+be動詞+過去分詞+C】と表現します。

I’m called Saki.
(私は、サキと呼ばれています。)

尚 第5文型でよく使われる使役動詞 let/make/have/get のうち、受動態にできるのは make のみです。また、能動態では C に原形不定詞を置きますが、受動態では to 不定詞が入ります。

This movie made me cry.
(この映画は、私を泣かせました。)

I was made to cry by this movie.
(私は、この映画に泣かされました。)

第5文型の受動態

時制ごとの受動態

英語の時制は、3つの “話の時間軸” と4つの “動作の状況 を掛け合わせて、全部で12種類あります。それぞれの時制において、受動態がどう表されるかを見ていきましょう。

英語の時制については、英語時制を図解と表でわかりやすく解説!使い方や時制ごとの違いをマスターしよう にて詳しく解説しています。

時制ごとの受動態

単純形

単純形は、そのまま【be動詞+過去分詞】で表されます。

過去形
Our room was kept clean during our stay.
(滞在中、私たちの部屋は清潔に保たれていました。)

現在形
Our room is kept clean by hotel stuff.
(私たちの部屋は、ホテルのスタッフによって清潔に保たれています。)

未来形
Your room will be kept clean during your stay.
(滞在中、あなた方の部屋は、清潔に保たれます。)

進行形

進行形は、【be動詞+being+過去分詞】の形を取ります。

過去形
The conference room was being used in the morning.
(午前中、会議室は使われていました。)

現在形
The conference room is being used now.
(会議室は今、使われています。)

未来形
The conference room will be being used from 1pm to 3pm.
(会議室は、午後1時から午後3時まで使われています。)

完了形

完了形は、【have+been+過去分詞】で受け身を表します。

過去形
The package had already been delivered when I arrived.
(私が到着したとき、荷物はすでに届けられていました。)

現在形
The package has been delivered.
(荷物は、届けられました。)

未来形
The package will have been delivered by tomorrow.
(荷物は、明日までには届けられているでしょう。)

完了進行形

完了進行形の受け身は、【have+been+being+過去分詞】で表します。

過去形
Sagrada Familia had been being constructed for 120 years when I visited.
(私が訪ねた時点で、サグラダファミリアは120年も建設されていました。)

現在形
Sagrada Familia has been being constructed since 1882.
(サグラダファミリアは、1882年から建設され続けています。)

未来形
Sagrada Familia will have been being constructed for 140 years when I visit.
(私が訪ねる時点で、サグラダファミリアは、140年も建設され続けていることになります。)

受動態の否定文

受動態の否定文は、be動詞の否定文を作るときと同じ要領で作ります。そのため、be動詞の後ろに not を置きます。

He is not registered yet.
(彼は、まだ登録されてません。)

※ 否定文の作り方について詳しく知りたい方は、こちらをご参考ください。
英語の否定文の作り方|パターン別にイチから完全マスター!

受動態の疑問文

疑問文も同様に、ふつうの be動詞の文と同じように作ります。そのため be動詞を文頭に移動して、語尾に「?」をつけると、疑問文になります。

・Is he already registered? (彼は、もう登録されましたか?)

※ 疑問文の作り方について詳しく知りたい方は、こちらをご参考ください。
疑問文の種類は全部でこれだけ!全パターンを図解付きで解説

受け身を表す準動詞

過去分詞

過去分詞は準動詞の1つとして、be動詞の後ろに置く以外の使い方をすることもできます。

① 形容詞として名詞を修飾する

Broken glasses are dangerous.
(割れたガラスは、危ないです。)

② 副詞として名詞以外を修飾する

This book was written based on facts.
(この本は、事実を基にして書かれました。)

準動詞について詳しく知りたい方は、英語の準動詞とは?役割や使い方を、図解で一気にマスターしよう! をご参考ください。

to 不定詞/ing 形

動詞を to 不定詞や ing 形として使うときも、be動詞+過去分詞 で、受け身の形にできます。

to 不定詞
My car needs to be washed.
(私の車は、洗われる必要がある。)

ing 形
I hate being controlled.
(私は、コントロールされるのが嫌いです。)

受動態と一緒に使われる前置詞

動作主を表す by 以外の前置詞を、後ろにとる動詞もあります。

be interested in – に興味がある
I’m interested in this event. (私は、このイベントに興味があります。)

be surprised at – に驚く
I was surprised at the news. (私は、その知らせに驚きました。)

be excited about – にワクワクする
I’m excited about working with you. (あなたと仕事することに、ワクワクしています。)

まとめ

最後に、受動態のポイントを、おさらいしましょう。

受動態とは
・「〜される」と、受け身を表す動詞の形
・動作主の明示を避ける時や、”動作主” よりも “動作の対象” に焦点を当てたい時などに、よく使われる

受け身の文の作り方
・be動詞+過去分詞で表現する
・動作主を明記したい場合は、おおむね前置詞 by が使われる

受動態が使えるようになると、英語の表現の幅が一気に広がります。たくさん使って、どんどん慣れていきましょう!

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