「英語の準動詞って、なんだろう…。」
「ふつうの動詞と何が違って、どう使うものなんだろう…。」
「英語の準動詞について、まとめて知りたい!」
本記事は、こんなお悩みを持った方に向けて書いています。
目次
準動詞とは
準動詞とは、文の中で他の品詞 (名詞・形容詞・副詞) として使われるか、助動詞の後ろに置かれている動詞です。
例えば running people の running は、準動詞です。beautiful flowers の beautiful (形容詞) と同じように、形容詞として名詞を修飾しています。
また I can run fast. の run も、準動詞です。助動詞 can の後ろに置かれています。
述語動詞との違い
“述語動詞” も “準動詞” も、使われ方に合わせた動詞の呼び方です。
単体の動詞 または 助動詞+動詞のセット が文の述語として機能している時、それらは “述語動詞” と呼ばれます。
文の中で他の品詞として扱われたり、助動詞の後ろに置かれた時、その動詞は “準動詞” と呼ばれます。
準動詞の役割
冒頭でもお伝えした通り、準動詞の役割は、以下の2つです。
① 文の中で、他の品詞 (名詞・形容詞・副詞) として機能する
② 助動詞の後ろにくる
詳しい説明に入る前に、① の名詞・形容詞・副詞それぞれの役割を、軽くおさらいしておきましょう。
名詞
名詞とは、人・物・事などの名前を表す言葉です。文の中で、主語(S)・目的語(O)・補語(C) などになります。
Ken loves dogs.
ケンは、犬が大好きです。
Sana is a programmer.
サナは、プログラマーです。
形容詞
形容詞とは、名詞の性質や状態などを表す言葉です。名詞を修飾するか、補語になります。※名詞を修飾する際、1語の場合は名詞の前、2語以上の時は名詞の後ろに置かれます。
This is a beautiful dress.
これは、美しいドレスです。
This flower is beautiful.
このドレスは、美しいです。
副詞
副詞は、名詞以外を説明する言葉です。概ね、文頭・文末・主語と述語の間・説明する言葉の前後 のいずれかに置かれます。
I usually wake up at 7 am.
私は普段、午前7時に起きます。
準動詞の種類
準動詞には4パターンの形があり、形ごとに意味や使い方が異なります。それぞれ順番に、見ていきましょう。
① to – 不定詞
② ing – 動名詞, 現在分詞
③ ed – 過去分詞
④ 原形不定詞
to - 不定詞
“to 動詞の原形” の形をした準動詞は、文の中で名詞・形容詞・副詞として機能することができます。いずれの場合も、to のコアイメージである矢印が、動詞に向かって伸びているようなイメージで使われます。
名詞的用法
日本語(以下、日))すること
My dream is to be a singer.
私の夢は、歌手になることです。
他動詞として目的語に準動詞をとる時、不定詞 (to) しか置かない動詞も存在します。
plan(計画する)/promise(約束する)/decide(決める) etc…
形容詞的用法
日)するための
I want something to drink.
私は、なにか飲む (ための) ものが欲しい。
※ 一部の使役動詞/知覚動詞は、補語に to 不定詞をとりません。詳しくは、後述の原形不定詞の章をご参考ください。
副詞的用法
日)するために/に対して/することが
I’m leaving early to pick up my kids.
子供のお迎えに行くために、早めに上がります。
This problem is hard to solve.
この問題は、解決するのが難しい。
ing - 動名詞, 現在分詞
“動詞+ing” の形をした準動詞も、名詞・形容詞・副詞になることができます。名詞として使われるときは “準動詞”、形容詞・副詞になるときは “現在分詞” と呼ばれます。どの品詞として使われるときも、“進行” のニュアンスを含みます。
名詞的用法
日)すること
Stop eating snacks.
お菓子を食べるのを止めなさい。
他動詞として目的語に準動詞をとるとき、動名詞 (ing) しか置かない名詞も存在します。
enjoy(楽しむ)/recommend(勧める)/stop(やめる) etc…
形容詞的用法
日)している
There was a barking dog across the street.
道の向かいに、吠えている犬がいました。
副詞的用法
日)しながら
I was bored waiting for the bus.
バスを待ちながら、私は暇をしていました。
ed - 過去分詞
過去分詞は、動詞の後ろに ed がつくか、動詞が不規則に変化した形です。他動詞なら受動、自動詞なら完了の意味を持ちます。役割は、以下の3つです。
① 完了時制の文で、have/had とセットで述語になる
② 形容詞になる
③ 副詞になる
助動詞 have とセットで述語になる
完了時制で使われる have/had は、助動詞の1つに分類されます。完了時制の文では、have/had と過去分詞がセットで述語になります。
I have lived in three different countries.
私は、3カ国に住んだことがあります。
完了形について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
英語時制を図解と表でわかりやすく解説!使い方や時制ごとの違いをマスターしよう
形容詞的用法
他動詞 – 受動 日)された
This hotel will be remodeled soon.
このホテルは、もうじき改装されます。
自動詞 – 完了 日)した
This ticket is expired.
このチケットは、期限が切れています。
副詞的用法
他動詞 – 受動 日)されて/されると
I wrote this song based on my experience.
(私はこの歌を、経験に基づいて書きました。)
自動詞 – 完了 日)して
He walked drunk.
(彼は、酔い潰れた状態で歩きました。)
原形不定詞
準動詞の最後の形は、単体の動詞の原形です。以下2つの役割を持ちます。
① 法助動詞の後ろにきて、述語になる
② 使役動詞/知覚動詞の補語になる
法助動詞とセットで述語になる
can/will/may などの法助動詞の後ろには、常に原形不定詞が置かれます。
He can run fast.
彼は、早く走ることができます。
使役動詞/知覚動詞の補語になる
第5文型(S(主語) + V(述語動詞) + O(目的語) + C(補語).)で、”O が C するのを V する。” と表現できます。この V が使役動詞または知覚動詞のとき、補語に原形不定詞が置かれることがあります。
第5文型について詳しく知りたい方は、こちらをご参考ください。
英語の文型とは?意味や並べ方を、わかりやすく図解!
使役動詞
使役動詞(〜させる)は、補語に原形不定詞か to 不定詞をとります。どちらを置くかは、使役動詞ごとに異なります。
Please let me know if you have any questions.
質問があれば、私に知らせてください。
This movie made/had/got me cry.
この映画は、私を泣かせました。
I was made to cry by this movie.
私は、この映画に泣かされました。
How can I get my kids to sleep?
どうやったら、子供たちを寝かせられるでしょうか?
尚これらの単語は、使役動詞(〜させる)としてではなく、別の意味で使われることもあります。その場合は他の動詞と同じように、原形不定詞以外の準動詞を、補語にとります。
I got my room cleaned.
私は、部屋を綺麗にしてもらった。
→過去分詞の形容詞的用法 (受動)
知覚動詞
see (見る)/hear(聞く)/feel(感じる) など、五感で情報を受け取る動詞を、知覚動詞といいます。知覚動詞は、SVOC の C (補語) に、現在分詞(ing)または原形不定詞を置きます。
知覚動詞+O+現在分詞 (ing) で、「Cの動作が、進行している状況を見た」と表現されます。
I saw him talking with his manager.
私は、彼がマネージャーと話しているのを見ました。
知覚動詞+O+原形不定詞 で、「Cの動作を、全部見た」もしくは「Cの動作が、完了するのを見た」というニュアンスになります。
I saw him talk with his manager
私は、彼がマネージャーと話すのを見ました。
その他ポイント
準動詞の否定
準動詞の前に not を置くと、準動詞が表す内容が否定されます。
I promise not to tell anyone.
誰にも言わないことを、約束します。
I recommend not smoking.
タバコを吸わないことを、オススメします。
Incomplete files will be not accepted.
未完成のファイルは、受領されません。
How can I make my dog not feel lonely?
どうやったら、ワンちゃんに孤独を感じさせずに済みますか?
準動詞の使い分け
■不定詞 (to)■
to のコアイメージである矢印が、動詞に向かって伸びているイメージ
■動名詞, 現在分詞(ing)■
ある過去の時点から、 “進行” している雰囲気
■過去分詞(ed)■
他動詞なら受動、自動詞なら完了 (受動のパターンの方が多い)
詳しく理解しておきたい方は、下記をご参考ください。
準動詞を使い分けるポイントまとめ|図解でスッキリ理解しよう!
まとめ
それでは英語の準動詞について、ポイントをおさらいしましょう。
- 準動詞の役割
- 文の中で、他の品詞 (名詞・形容詞・副詞) として機能する
- 助動詞の後ろにくる
- to – 不定詞
- to のコアイメージである矢印が、動詞に向かって伸びているイメージで使う
- 名詞・形容詞・副詞になる
- ing – 動名詞, 現在分詞
- “進行” のニュアンスで使う
- 名詞・形容詞・副詞になる
- ed – 過去分詞
- 他動詞なら受動、自動詞なら完了の意味で使う
- 完了時制の文で have/had とセットで述語になるか、名詞・形容詞・副詞になる
- 原形不定詞
- 法助動詞とセットで述語になるか、使役動詞/知覚動詞の補語になる
準動詞は、英語を話す中で、とても頻繁に使われる言葉です。本記事の内容をマスターしたら、英会話や英作で実践をして、どんどん使いこなしていきましょう!
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