「関係詞が理解できない…。」
「which とか where とか、一体何をどう使えばいいか分からない…。」
「関係詞について、わかりやすく纏められた解説はないかな…。」
この記事は、そんなお悩みを持った方に向けて書いています。
目次
関係詞とは
関係詞とは、節の中に別の節を組み込んでくれる言葉です。別の節が加わることで、もとの節に情報が足されます。例えば、Do you know the man who is wearing a hat? の文を見てみましょう。関係詞 who が、Do you know the man? という節に、 the man をより詳しく説明するための節 who is wearing a hat をくっつけてくれています。
関係節と先行詞
関係詞に導かれた節を、一般的に関係節と呼びます。また関係節によって説明された部分を、先行詞と言います。
※関係詞は、本来 “関係代名詞” と “関係副詞” に分類して扱われます。本記事では、なるべくシンプルに解説するために、便宜上 “関係詞” とまとめて呼びます。
関係節を含む文の作り方
関係節を含む文は、基本的に以下の2ステップで作れます。
① 先行詞の後ろに、関係詞を置きます。※関係詞の選び方は、後ほど解説します。
② 関係詞の後ろに、先行詞を説明する節を続けます。この時、先行詞に相当する部分は繰り返し言いません。
主な2つの用法
先行詞を限定する - 限定用法
1つ目は、先行詞を限定するパターンです。先行詞の後ろに、そのまま関係節を置きます。この使い方の時、関係節のある/なしで、”誰/何について話しているのか” が変わります(=限定されます)。
■ My husband loves cereal bars which contain a lot of protein.
(私の夫は、プロテインを多く含むシリアルバーが大好きです。)
■ I have a son who lives in Tokyo.
(私には、東京に住んでいる息子がいます。)
補足の説明を加える - 非限定用法
2つ目は、先行詞を限定せずに、補足の説明を加えるパターンです。先行詞の後ろに、コンマで挟んだ関係節を置きます。こちらの用法では、関係節のある/なしで、”誰/何について話しているのか” は変わりません(=限定されません)。
■ Cereal bars, which usually contain a lot of protein, is perfect for breakfast.
(シリアルバーはふつう多くのプロテインを含んでおり、朝食にもってこいです。)
■ I have a son, who lives in Tokyo.
(私には息子がいて、彼は東京に住んでいます。)
節全体の先行詞
節全体が先行詞となることもあります。ネイティブの会話では、けっこう頻繁に使われる用法です。
■ He is always positive, which is good for his wife.
(彼はいつもポジティブで、それは彼の妻にとって良いことです。)
関係詞の選び方
人
who
関係節内で主語・目的語である時、関係詞は who が使われます。
ー 限定用法 ー
■ 主語:I have a friend who lives in LA.
(私にはロサンゼルスに住む友人がいます。)
■ 目的語:This is a list of clients who you are responsible for.
(これは、あなたが担当する顧客のリストです。)
ー 非限定用法 ー
■ 主語:My friend, who lives in LA, is a Japanese teacher.
(私の友人はロサンゼルスに住んでいて、日本語講師をしています。)
■ 目的語:I met Ken, who I hadn’t seen for ages.
(私は、長年見かけなかったケンに会いました。)
whom
関係節内で目的語である時、関係詞として who ではなく whom を使うこともできます。whom を使うとフォーマルな印象になるので、特に話し言葉では who が好まれます。
ー 限定用法 ー
■ It’s important to have friends with whom you can share your feelings.
(気持ちを共有できる友人を持つことは、大切です。)
※前置詞 with が、whom の前に移動しています。この前置詞の配置については、”前置詞の配置” の章で解説しています。
ー 非限定用法 ー
■ I met Ken, whom I hadn’t seen for ages.
(私は、長年見かけなかったケンに会いました。)
whose
関係節内で所有格である時、whose が使われます。尚 モノ・コトが所有格である場合も、whose が使われます。
ー 限定用法 ー
■ I have some friends whose parents speak Chinese.
(私は、ご両親が中国語を話す友達が何人かいます。)
ー 非限定用法 ー
■ Mika, whose parents spreak Chinese, understands both Japanese and Chinese.
(ミカはご両親が中国語を話しますが、日本語と中国語、どちらも理解することができます。)
モノ・コト
which
関係節内で主語・目的語である時、which を使います。また非限定用法で文全体を先行詞とする場合も、which が使われます。
ー 限定用法 ー
■ 主語:There you can see the mountains which are covered with snow.
(そこでは、雪に覆われた山々を見ることができます。)
■ 目的語:These are the books which I read last year.
(これらは、私が去年読んだ本です。)
ー 非限定用法 ー
■ 主語:The Equality, which supports women’s rights, is now holding seminars in Japan.
(The Equality は女性の権利を支持しているのですが、いま日本でセミナーを開催しています。)
■ 目的語:Titanic, which I read last year, had a sad ending.
(タイタニックを去年読みましたが、悲しい結末でした。)
■ 節全体が先行詞: Telework allows people to choose where to live, which improves life quiality.
(テレワークは人々に居住地の選択肢を与え、それは人生の質を向上させます。)
場所・時間
where
関係節の先行詞に相当する部分が、副詞として場所・場合・条件などを表す際は、where を使います。“前置詞の目的語” である場合 (which) と、”前置詞も含む副詞(句)” である場合 (where) を、区別しましょう。
ー 限定用法 ー
■ Paris is the city where I was born and grew up.
(パリは、私が生まれ育った都市です。)
ー 非限定用法 ー
■ Paris, where I was born and grew up, is a beautiful city.
(パリは私が生まれ育った場所ですが、美しい都市です。)
when
関係節の先行詞に相当する部分が、副詞として時間を表す際は、when を使います。
ー 限定用法 ー
■ I was stopped by my manager right at the moment when I finished my work.
(仕事を終えた まさにその時、部長に呼び止められました。)
ー 非限定用法 ー
■ In 1879, when Edison invented the first electric lamp, Konosuke Matsushita was only 15 years old.
(1879年、エジソンが初の電球を発明した年に、松下幸之助はたった15歳でした。)
その他の関係詞
that
限定用法の who/which(/whom)は、大抵 that に置き換えることができます。
■ I have a friend that lives in LA.
(私にはロサンゼルスに住む友人がいます。)
■ These are the books that I read last year.
(これらは、私が去年読んだ本です。)
what
what は、the thing(s) which の意味で使われます。
■ I know what (=the thing which) you mean.
(あなたが意味することが分かります。)
why
why は、先行詞 the reason に続く関係詞として使われます。
■ That was the reason why I quit my job.
(それが、私が仕事を辞めた理由です。)
その他のポイント
前置詞の配置
関係節における先行詞に相当する部分が、前置詞と結びついている場合、その前置詞は、しばしば関係詞の前に移動します。これは、限定用法に限ります。また話し言葉や、前置詞が動詞と結びついてフレーズになっている場合にも、あまり起きない変化です。
■ The United Nations is an international organization in which more than 40,000 people work.
(国連は、4万を超える人々が働く国際的な組織です。)
尚 先ほど解説した通り、先行詞が人で、関係節内の先行詞に相当する箇所が目的格の場合、who と whom の両方が使えます。”I met Ken, who I hadn’t seen for ages.” も、”I met Ken, whom I hadn’t seen for ages.” も、どちらもOKです。
この時さらに、関係節内の先行詞に相当する部分が、前置詞と結びついているとしましょう。その場合、前置詞が前に出されると whom が使われます。前置詞が前に出されない場合は、who が使われます。
■ It’s important to have friends with whom you can share your feelings.
(気持ちを共有できる友人を持つことは、大切です。)
■ It’s important to have friends who you can share your feelings with.
(気持ちを共有できる友人を持つことは、大切です。)
先行詞の省略
そもそも関係詞に先行詞の意味も含まれている場合、その先行詞はよく省略されます。when の the time、where の the place、why の the reason などがあります。
■ The last time (when) I saw him, he was wearing a suit.
(前回 彼を見た時、彼はスーツを着ていました。)
■ I don’t know (the place) where I left my keys.
(どこで鍵を無くしたか、わかりません。)
■ Please tell us (the reason) why you have applied for this job.
(どうしてこの仕事に申し込んだのか、教えてください。)
関係詞の省略
関係節における先行詞に相当する部分が目的語である場合、関係詞を省略することができます。副詞である場合も、しばしば省略されます。これは、限定用法に限ります。また、前置詞が関係詞の前に置かれている場合(in which etc…)や、先行詞が省略されている場合(when の the time etc…)も、省略することはできません。
■ 目的語:Do the things (which) you like.
(あなたが好きなことをやりなさい。)
■ 副詞:I still remember the day (when) I first saw you.
(初めてあなたを見かけた日のことを、まだ覚えています。)
まとめの一覧表
関係詞は、台詞をスムーズに繋ぐのに とっても便利です。はじめは文を作るのに時間がかかるかもしれませんが、たくさん練習して、使いこなしていきましょう!
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